Let It Be (single edition) – The Beatles

SINGLE COLLECTION,The Beatles

composed by John Lennon & Paul McCartney ©1970 Northern Songs Ltd.
 

苦しみ悩んでいる時は
マリア様があらわれて
尊い言葉を囁いてくださる
『あるがままに』

 
1970年に発売されたビートルズ22枚目のオリジナル・シングルのA面(B面は「ユー・ノウ・マイ・ネーム」)。これが彼らの活動期間中の最後のシングル盤となった。
同年にリリースされたアルバムLET IT BEの6曲目にも収録された。
クレジットはLennon – McCartneyだが実質的にはポール・マッカートニーの作品である。

シングル版のプロデューサーはジョージ・マーチン。アルバム版はフィル・スペクター。
基本テイクは同じだが、双方にはいくつかの明確な差異がある。

  • 間奏のリードギター。
    シングルは1969年4月に録音されたテイクで、レスリーを通したオルガンのような音。
    アルバムは1970年1月のテイクで、オーバードライブのかかったややハードな音。
  • 最後のリフレイン。アルバムの方がシングルよりも1回多い。
  • 2バース目のドラムのハイハットのエコー。アルバムの方がシングルよりも深くかかっている。
  • その他、全体のトラックバランスが違っている。
    中でも際立っているのはブラスとコーラスで、シングルはブラスよりもコーラスが、アルバムはコーラスよりもブラスが前面に出ている。

ビートルズが分裂状態にあることを悲観していた頃、ポールの夢枕に亡き母メアリー・マッカートニーが現れた。
「母は『大丈夫よ』と言ったんだ。"Let it be (なすがままに)"という言葉を使っていたかどうかは憶えてないけど、『心配しすぎないで。全て良くなるわ』とアドバイスしてくれたよ。とても素敵な夢だった。それをもとにこの曲を書いたんだ。"Mother Mary"は宗教的だという意見もある。僕はそういうつもりで書いたんじゃないけど、そう解釈されても構わない。信仰を持つのは悪いことじゃないからね」

ポールはこの曲をゴスペル風に仕上げたいと考え、セッションに参加していたキーボード奏者のビリー・プレストンに「ゴスペルっぽくするにはどうしたらいい?」と相談し、ビリーのアイデアをもとににゴスペル風のオルガンとコーラスを取り入れた。

日本では1981年の篠田正浩監督の映画「悪霊島」(原作:横溝正史)の主題歌として使用された。
原作が発表された1980年に発生したジョン・レノン暗殺のニュースを本編に折り込むという方針から、映画では三津木五郎が現在(1980年)から本編で描かれた刑部島事件のあった1969年を回想するという形式に変更されている。

劇中に「レット・イット・ビー」と「ゲット・バック」が使用されたが、後年これら曲の使用権が切れたためにオリジナル版での放映・ソフト発売共に不可能になり、長らく幻の作品となっていた。
2004年に「レット・イット・ビー」はレオ・セイヤー、「ゲット・バック」はビリー・プレストンによるカバー版に差し替えてDVDが発売された。


John Lennon (1980)
That’s Paul. I think it was inspired by 'Bridge Over Troubled Water.’ That’s my feeling, although I have nothing to go on. I know he wanted to write a 'Bridge Over Troubled Water.’
 
ポールだ。「明日に架ける橋」に影響されたんじゃないかな。そう思う。僕は何もしてないんだけどね。彼は「明日に架ける橋」みたいな曲を書きたかったんだ。

Paul McCartney (1986)
I had alot of bad times in the ’60s. We used to lie in bed and wonder what was going on and feel quite paranoid. Probably all the drugs. I had a dream one night about my mother. She died when I was fourteen so I hadn’t really heard from her in quite a while, and it was very good. It gave me some strength.
 
あまりいい時期じゃなかった。僕らはよくベッドに横たわって「これからどうなるんだろう」って考えたものさ。パラノイア状態みたいな気分でね。クスリのせいかもしれないな。ある夜、僕は母の夢を見た。母は僕が14歳の時に亡くなったからもうずっと長いこと彼女の話が聞けなかった。嬉しかったし、勇気をもらったよ。

Paul McCartney (1994)
One night during this tense time I had a dream I saw my mum, who’d been dead ten years or so. And it was great to see her because that’s a wonderful thing about dreams, you actually are reunited with that person for a second… In the dream she said, 'It’ll be alright.’ I’m not sure if she used the words 'Let it be’ but that was the gist of her advice, it was 'Don’t worry too much, it will turn out okay.’ It was such a sweet dream I woke up thinking, 'Oh, it was really great to visit with her again.’ I felt very blessed to have that dream.
 
緊迫した時期だった。ある夜、10年程前に亡くなった母の夢を見たんだ。夢ならほんの僅かな時間でも再会できる。素晴らしいことさ。夢の中で母はこう言った「大丈夫。すべてうまくいくわ」ってね。母が"Let it be"っていう言葉を使ったかどうかは覚えてないけど、「心配しすぎないで。きっと良くなるから」という主旨の助言だった。素敵な夢から醒めて、僕は考えた。母にまたあえて本当に良かった。夢で祝福された気分だった。

My Recording Data

Environment

HostApple iMac MC509J/A
ApplicationApple Logic Pro 10.0.7
Audio I/FRoland UA-55
 

Tr.1 :: Drums 1

  • KONTAKT 5 – ABBEY ROAD 60S DRUMMER
  • Channel EQ > Space D > Limiter

 

Tr.2 :: Drums 2

  • KONTAKT 5 – ABBEY ROAD 60S DRUMMER
  • Channel EQ > Space D > Limiter
  • 2バース目から入るペダルハイハット。アルバム版で挿していたディレイはカット。その代わりリバーブを深めにかける。

 

Tr.3 :: Drums 3

  • KONTAKT 5 – ABBEY ROAD 60S DRUMMER
  • Channel EQ > Space D > Limiter
  • 最終リフレインにオーバーダビングされていると思しきスネア。

 

Tr.4 :: Piano

  • exs24 Classic Piano
  • Channel EQ > Exciter > Space D
  • シングル版はアルバム版よりも中高域が立ったイコライジングなのでエキサイター追加。

 

Tr.5 :: Bass

  • FGN NCJB-10R (front + rear, tone=1/4)
  • Guitar Rig > Multipressor > Channel EQ > Limiter

 

Tr.6 :: E.Guitar 1

  • FGN NCST-10R (rear)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Compressor > Rotor > Limiter
  • レスリーでフランジングしたリードパート。

 

Tr.7 :: E.Guitar 2

  • FGN NCST-10R (rear)
  • Guitar Rig > Channel EQ > Compressor > ADT
  • オーバードライブのかかったリードパート。アルバム版ではこちらがフィーチャーされているがシングル版では音量小さめ。

 

Tr.8 :: Organ 1

  • Vintage B3 (Logic)
  • Channel EQ > Compressor > Space D
  • 間奏前に登場するゴスペル風の音

 

Tr.9 :: Organ 2

  • Vintage B3 (Logic)
  • Channel EQ > Limiter
  • 歌のバックではコード。間奏では単音フレーズを弾いているパート

 

Tr.10 :: E.Piano

  • Vintage Electric Piano (Logic)
  • Channel EQ > Exciter > Space D
  • リバーブを追加してやや奥に引っ込める。

 

Tr.11 :: Chorus 1

  • PitchCor > Channel EQ > Compressor > Space D
  • シングル用に追加録音。生声で上パート

 

Tr.12 :: Chorus 2

  • PitchCor > Channel EQ > Compressor > Chorus > Ensemble > Space D
  • シングル用に追加録音。生声で下パート

 

Tr.13 :: Chorus 3

  • KONTAKT 5 Chorus [u]

 

Tr.14 :: Chorus 4

  • KONTAKT 5 Chorus [a]
  • Channel EQ > ADT > Space D
  • シングル用に追加した生声トラックのサポート。

 

Tr.15 :: Brass

  • KONTAKT 5 Brass Section
  • Channel EQ

 

Tr.16 :: Maracas

  • Maracas
  • Channel EQ > Compressor > Spread > Limiter

 


History

2014.12.06: version 2.0
2004.07.31: version 1.0

Diary


 


Sources