Rickenbacker 325 C64



購入年月日2018年1月18日
購入価格¥318,000
購入場所Nico-Nico Guitars (渋谷)


「325」はジョン・レノンが1960年11月にハンブルグの楽器店で購入して以降1966年にエピフォンのカジノに取って代わるまでステージ、レコーディングで常に彼と共にあったギターでまさにジョンの存在そのもの。ファンにとっては楽器というよりむしろ「神器」と言えるかもしれない。
ジョンはキャリアを通してこの型のギターを4本所有した。最初に手に入れた1958年製のメイプルグロー(木地色)、1964年にリッケンバッカー社から寄贈された同社のオリジナルアクセントビブラート機構付きのジェットグロー(黒色)、同年に特注した12弦タイプ、そしてfホール付きファイアーグロー(赤系サンバースト)の1996。このうち現在同社のカタログにラインナップされているのは彼にとって2本目となった1964年製をモデルにした「325 C64」のみ。かつてはこれ以外に彼が初めて手にした325を模した「325 C58」とかVシリーズとか様々あったのだが全て廃盤になってしまった。

で、唯一残ったこれがなんとこれ定価が560,000もする。消費税8%加えると600,000超え。

リッケンバッカーはどの製品も生産数量が少なく押し並べて高値なのだが、中でもビートルズ関連のものは異様に高い。
ショートスケールのセミホローボディ―。ネックもボディーもメイプル材。木目なんか関係ない黒のベタ塗装。こんなもん150,000くらいが妥当なところなんじゃなかろうか?知らんけど。

僕はバンドでは長らくベース弾きでポール・マッカートニーには憧れもあったので彼のトレードマークともいえる2本のベースを買った時は一切迷いは無かったし財力が伴えば買うのは至極当然のことだとさえ思ってた。いずれもそれまで手にした楽器とは比較にならないくらい高価な買い物だったけど躊躇はしなかったし投資したなりに家でも外でも使い倒した。

でもギターは違う。
外に出て人前でギターを弾く機会なんてほぼ皆無。
使うのは日々の練習と宅録だけ。
録音する時だってエフェクターを通してしまったら元のギターなんてどんなものでも大差ないと思ってた。

だから1、2本持っていればそれで十分だった。
生まれて初めて自分で買ったエピフォンのカジノと、なんでもいいからアームのついたギター。これだけあれば不満なく余生を送れたはずだった。

ところが。

ビートルズの宅録にのめり込んである程度の数の人たちに聴いてもらえるようになった頃から「飽きっぽいくせに凝り始めたらとことんやる」の血に逆らえなくなってきた。
それまでカジノとストラトで事足りていたはずなのに、ハムバッキングの音を求めてギブソンのレスポールに手を出し、本物の12弦ギターの音を求めてリッケンバッカーの360/12に手を出し、グレッチの音を求めてテネシーローズに手を出した。

しかしそんな中でもジョンの325だけは頑なに拒否していた。
ビートルズをやるなら音的にもビジュアル的にも絶対に必要なんだろうなとは思いつつもあえてストラトやカジノを使った。動画を見てくれている「ビートルマニア」からは何度も「325、325、325、325、325、325、325、325…」と言われたものだ。しかし他人にそう言われれば言われるほど逆に「僕には絶対必要ない」という思いは強くなった。
いくらジョンが使っていたギターだとはいえこんなチンケなものに40万も50万も払うのはまっぴらゴメンだった。

はずなのに。

何故なんだ。

もうビートルズの宅録は終わってるんから出番なんてほとんどないじゃないか。
なんで今さらこのギターがこんなに気になるのか。

一時的な錯乱だと思って2か月ほどおとなしく過ごした。しかしその間も暇さえあればネットでさかんに検索してる自分がいる。これじゃ沈静化するはずがない。

常時錯乱状態になってしまった。

200,000前後だったら買ってやってもいいんだよ…と思っていたのだがなかなか難しい。いまだに人気商品らしくその辺の価格帯で出る程度の良さそうな中古は一瞬で消えてしまう。かと言って定価で新品を買えるほどの余裕もない。そもそも出回っている数が絶対的に少ないのでなかなか出会えない。

中古専門店のサイトで良さげなものを見つけて数週間悩んだ挙句、ほぼほぼ買う覚悟を決めて出かけていった。
2011年製の1本。
前のオーナーはよほど丁寧に使っていたんだろう、傷がほとんど無い。ブリッジ近くにごく小さな打痕が1個あるだけ。ボディーが黒だからバックルとか布ズレの痕とかは目立つはずなんだけどそういうのは全然無い。金属パーツのくすみも無い。購入したと思しき宮地楽器の保証書が入ったまま。
ほぼ新品状態じゃないかこれ。
ピックアップの出力のバランスもいいし、スイッチやボリュームのガリも無い。
弦高がちょっと高いかな?これは調整すればいいか。

ということでまんまとお買上げ。
保証書と一緒に店のウェブサイトに掲載されていた写真をL版で印刷して同封してくれた。
ハードケースは4001 C64と同じグレーのタイプだけど大きさはこのギターのサイズに合わせてあって4001や360/12よりもずいぶん小さい。でもやっぱ重い。

弦はフラット弦が張ってあった。
このギターはショートスケールなので普通のスケールの弦が使えない。計画的に替える時はいいとして突然切れたら通販するしかないのかな?地元の楽器店で売っててくれるといいんだけど(未確認)。

家に持ち帰って、まずは弦高の調整。
ブリッジの4本のねじで調整するらしい。ブリッジを支えているプレートはある程度幅寸法があるので設計的には左右2本ずつ・計4本で支えるのが正解なのはわかるんだけど、2本のバランスを取りながら上げ下げしないといけないというのはユーザーには優しくない。時計回しでブリッジ上げ・反時計回しでブリッジ下げ。ブリッジ全体を上げ下げする仕様ならギブソン系みたいにサムナットにしてくれればいいのに。やっぱリッケンバッカーは馬鹿だ。

で、肝心のプレイアビリティーなんだけど。

率直に言って、想像していた以上に良い。
ショートスケールってほんとに短くて持った瞬間は違和感があった。でも「弾きにくい」ってほどでもない。フレット間が短いのでオールドロックにありがちな「パワーコードのフォームで小指を使っての6度と短7度」がすごく楽ちん。ネックも握りやすい。
一方でどうしてもテンションはキツめになるのでチョーキングとかはちょっとしんどい。
「ソロ」向きじゃない。ジャカジャカ弾くのがとっても楽しいギターだ。

せっかく手に入れたんだから数曲再録してみようか。
「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」とか
「抱きしめたい」とか
「オール・マイ・ラビング」とか
動画もこれでやったら雰囲気出るだろうし。

そう考えたらなんかまたワクワクしてきたぞ。

よし。
 


 


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