
この曲を大学時代のFFマスター・尾田修一氏に捧ぐ
ロール・プレイング・ゲーム(RPG)の分野で「ドラゴンクエスト」と並ぶ人気タイトル「ファイナル・ファンタジー (FF)」のシリーズ5作目にあたる「FINAL FANTASY V」。任天堂のスーパーファミコン(SFC)をプラットホームとして1992年にスクエアから発売されたこの作品は販売価格が税込みで¥10,000を超える高額商品であるにもかかわらず同シリーズ初のダブル・ミリオンを記録する大ヒット作となった。
ファミコンもそうだがロムカセットはロムの供給が不安定であったが故に大量生産ができず人気タイトルは発売当初は品薄になるというのが通例。入手が困難な客の足元を見て定価より高い値付けで販売する店もあった。作品中何度も相見えるこのになる敵キャラ「ギルガメッシュ」との2回目の戦闘シーンのBGMとして使われたのがこの曲である。
戦闘の舞台となったのは「ビッグブリッジ」という文字通り長い長い橋の上。この橋に到着して以降ザコキャラを倒しながら橋を渡り最後にイベントの中ボスであるギルガメッシュを倒すまでの間延々と聞くことになるこの曲。緊張感を盛り上げるハイテンポのリズム上を流れる不安さと爽快さが同居した短調の旋律が厳しい戦闘とギルガメッシュの独特のキャラクターと見事にマッチしていて非常に印象的。FFシリーズ中においても人気の高い曲のようだ。
ギルガメッシュはラストボスである暗黒魔道士エクスデスに仕える人間型のモンスター。敵でありながら厚い人情と天然ボケを併せ持つが故に憎めないキャラクターで、敵として登場しながらも最終的には主人公(プレイヤー)達との間に友情さえ芽生えていく。
盟友ガラフを追って異世界に来たものの敵方のエクスデス城に捕えられてしまった主人公たちの牢の見張り番としてエクスデスに呼び付けられたのが彼の初登場シーン。ほどなく主人公を助けるべく単身エクスデス城に乗り込んだガラフに敗れて逃走し、(これが1回目の戦い)その後ビッグブリッジ(2回目)、ゼザの船上(3回目)と再三にわたって主人公達と戦うがいずれも決着はつかなかった。
物語の終盤。エクスデス城上層階での戦い(4回目)から互いの間に友情のようなものが芽生え始める。しかしこの戦いの中でエクスデスがトラップとして用意したエクスカリパーを聖剣エクスカリバーと間違えて使うという大失態を演じたことでエクスデスに見限られ、次元の狭間へ追放されてしまう。
次元の狭間では次々襲い来る魔物達と戦いながら単身生き延び、ここでエクスデスを倒す為に同じく次元の狭間にやって来た主人公達とまたまた遭遇する。最初は主人公達を魔物と勘違いして攻撃してくる(5回目)が途中で気付き、次元の狭間から脱出する方法を聞いて主人公たちに一緒に行こうと誘う。しかし主人公たちはここに来た目的があり一緒には帰れない。そこで彼は主人公たちと再会の約束を交わし、ひとり脱出した。
次元の狭間の深部でネクロフォビアに苦戦を強いられている主人公たち。そこに…
「間に合った!このまま帰ったんじゃ、かっこ悪いまま歴史に残っちまうからな!」
元の世界に戻ったはずの彼が突如として現れる(6回目)。そして主人公達それぞれに別れの言葉を遺した後、ネクロフォビアを道連れにして自爆した。この「ビッグブリッヂの死闘」は、FF5においてギルガメッシュのテーマソングの如く扱われていた。
オリジナルの音源はもちろんSFC本体内のもの。S-SMP(SPC700)+DSP。
SPC700部はコア・クロック2.048MHz、64KBのSRAM、サンプリング周波数32kHz、同時発音数8、16bit PCM ステレオ(ADPCM)。
そしてDSP部ではエコー、ディレイ、リバーブ、ピッチモジュレーション、ノイズ、ピッチベンドが制御できる。
これは当時としては非常に高性能なものであったが、それでも凝った音楽を作るにはメモリの容量、同時発音数、データサイズの制限が厳しい。故にSFCのゲーム音楽はサウンドプログラマーの手腕に負うところが大きかった。なおオリジナルサウンドトラックにおけるこの曲のタイトルが「ビッグブリッヂ」という表記なのでそれにならったが、ゲーム画面中でのテロップは「ビッグブリッジ」となっている。
Take 1: 2010年05月16日
音色はドラム、ベース、ギター、オルガン、トランペット。まずは全パートの音符を拾いながらデータ入力。
構成は非常に単純でイントロ、トランペットがリードを受け持つAメロと、オルガンが表に出てくるBメロのの3パターンのみ。イントロは文字通り導入部だけであとはA→B→A→B→…をひたすら繰り返す。1巡目と2巡目は全く同一なので1コーラス分できてしまえばあとはそれをコピーすればOK。
ドラムのフレーズは超人的。このテンポで16分のHiHatを片手で刻めれば叩けるのだろうがかなりしんどそう。オルガンもやはり超人的。これらのパートをテンポ通りリアルに演奏しようと思うと絶対ヘイストが必要だと思われる。まぁこちらはこの辺はデータなのでどうにでもなる。
オルガンは軽くディストーションをかけて70年代のハードロックっぽい音に。ギターはディストーションというよりファズに近いサウンド。データのままでも十分雰囲気が出ていたのでコピー時に起こしたものをそのまま残した。トランペットはソロではなくアンサンブルの音を採用。
ベースのみ自分で演奏した。ハイノート中心のフレーズ。Hofner 500/1を使用。テンポは速いが音の移動がなだらかなので指使いは難しくない。本当はBメロの最後の2小節はローポジションで弾いた方がメリハリがきいてよかったんだろうけど、最後の最後にEbがでてくる。これを弾くためにはチューニング変えなければいけないのと次のAメロのアタマの音をきっちり出そうとするとポジション移動が忙しくなるのでハイポジションで弾く。
原曲は同時発音制限数つきのデータなので編曲的にはどうしても単調になる。でもこれがこの曲のイメージ。下手に変化をつけてしまうと逆にぶち壊しになると思い抑揚は最小限に止めた。









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