宅録ビートルズ・2周目 – MAGICAL MYSTERY TOUR総括

宅録日記

 
2012年6月15日に着手して11月27日に完成。
日数計算上は166日だが宅録日記ナンバーは115~138なので録音に要した日数は24日。しかし日記はまとめ書きしてる日もあるので実際はもう少しかかったと思う。ただでさえ難曲が多いところに途中3ヶ月くらい空白期間があったり、録音はしなくても音の実験とかに時間を割かれたりしてとにかく時間がかかった。
2017年1月~5月、動画製作のついでに18日間リミックス作業(一部パートの再録音を含む)をした。

仕上がったので、振り返り。
 

マジカル・ペイント


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のセッション中にジョン、ポール、ジョージの3人は自分の楽器にサイケデリックな塗装を施した。大々的に人前に現れたのが映画「マジカル・ミステリー・ツアー」だったので、これらはいつしか「マジカル・ペイント」と呼ばれるようになった。
「ロッキー」と名前がついたジョージのソニックブルーのストラトキャスターとポールのファイアーグローのリッケンバッカー4001のマジカル・ペイントは劇中のI Am The Walrusの演奏シーンで使われている他、ミュージックビデオやライブでちょこちょこ登場しているのでそこそこ知られている。ジョンはサンバーストのエピフォン・カジノのボディーの裏面に白っぽいスプレーを無造作に噴き、J-160Eにはボディー前面に赤と紫と水色の派手な模様を描いた。写真は見たことがあるのだが、 ジョージやポールのそれと違ってジョンがペイントしたギターを弾いてる動画にはお目にかかったことがない。

アルバムの動画を作るなら同じようにペイントしたら面白いだろうなぁとは思っていた。音質には何の関係もないんだけど画的な効果は抜群なはず。でも自分でギターに塗装する度胸はない。作業にとんでもなく時間が掛かるし、そもそもうまくできるかどうかわからない。それにほんの数曲で終わっちゃうことなんだから。いろいろもったいない。
そこで「画用紙に絵の具で塗装してそれをギター(ベース)に貼る」という作戦でいくことにした。
ライブをやるわけじゃないから塗膜の耐久性とか要らないし、寄ったアングルの画面にしなければさほど違和感もないはずだ。それに水性塗料を使えば屋内で作業ができる。わざわざ寒空の下に出ることもない。貼り付けは弱粘着の両面テープを使えば楽器のボディーに損傷を与えずに済む。

というわけで用意したのがこの3本。

  

なかなかいい感じでしょ?(笑)

 

集大成

このアルバムはビートルズのラストアルバムではない。
でも僕にとってはこれが「ラスト」アルバムだ。

2010年に始めた「宅録ビートルズ・2周目」は最初は音源だけだった。
2011年に「リボルバー」を作った時にごくごく簡単なビジュアルコンテンツを作った。でもこれはまだ「おまけ」程度。全く手間を掛けずに即席でこしらえたものなので思い入れなど微塵もなく、当時開いていたfacebookのページ以外にはアップしていなかった。そのページはもう消してしまったし自分でも保存しなかったからもうどこにも残ってない。
本格的に動画コンテンツを作り始めたのは2013年に取り掛かった10枚目のアルバム「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」からだった。作ってみたら思った以上に楽しくて、15枚目のパスト・マスターズが終わった後に1枚目のプリーズ・プリーズ・ミーに戻ってリミックスをしつつ全曲動画コンテンツ化を目指して地道に作業をしていた。
画面分割、静止画とのブレンド、絵画風の画面作り、クロマキー合成、ベクターアート…アルバムごとに少しずつ新しい技を覚えた。

それがとうとう終わった。

213曲全てが満足な仕上がりってわけじゃなから曲によっては手直しすることもあるだろうし、公式曲以外のビートルズを宅録素材にすることは今後もあるとは思うけど、「アルバムまるごと・最初から最後まで」みたいなことはもうやらない。

次やる曲に縛られて作業をするのはこれにて「終了」である。
この「縛られて」ってのがなかなか厄介。自己縛りではあるんだけど、終盤は正直しんどかった。

あしかけ7年。
よく頑張ったよ。

しかも「愛こそはすべて」でフィナーレなんて。なかなかオツじゃないか。
 

新たな発見

今回の製作過程で気が付いたこと一覧。
僕なりの解釈なので、違うところはあるかもしれないけど。

  • Magical Mystery Tourのブラスはトランペットのみ。多分4本。
  • Magical Mystery Tourのアウトロにフィンガーシンバルのような音が。
  • The Fool On The Hillにベースが。
  • Flyingのリフはエレキとアコギのユニゾン。ただし完全一致ではない。
  • Blue Jay Wayのコーラスは一部逆再生。
  • Your Mother Should Knowのイントロ。ベースが2、3、4拍オモテでハイノートを鳴らしてる。オルガンも白玉で鳴ってる気がする。
  • I Am The Walrusにギターが。
  • Hello Goodbyeのギターは2本。ほぼユニゾンでアウトロは別のことやってる。
  • Strawbeyy Fields Foreverの最初のベンドとモールス信号みたいな音は同じ楽器。メロトロンだと思う。
  • Penny Laneにギターが。
  • Penny Laneのピアノは音色を変えて複数録音されてる。多分3台。
  • Penny Laneのブラスセクションは後半になるといろんな楽器が短いフレーズで入れ代わり立ち代わり登場する。
  • Baby You’re A Rich Manにビブラフォンが入ってるらしいんだけどちゃんと聴き取れず。3バース目で鳴ってる音がそれかな?
  • All You Need Is Loveに音を外しまくりのバイオリンと中途半端なダブルベースが1本ずつ。ジョージとポールが弾いたのってひょっとしてこれか。
  • All You Need Is Loveにアコーディオンが。

 

さて、お次は・・・

好きな曲を自由にやるよー。
とりあえず今サイトにある音だけのやつを動画化するか。